コロナのニュース、ニューヨークタイムズから

今朝のニューヨークタイムズで、コロナについて、ショッキングという言うのではないのだけれど、なんとも薄気味悪い記事を読んだ。記事はまず「変異種」についてはじまる。今年の2月から米国を席巻してきたウイルスははイタリア種と呼ばれる物で、変異種とくらべれば全然感染力の弱い物だ。それすら押さえ切れていないのに、さらに強力なのが、急速にその勢力を広げている。

つぎにワクチン接種の遅れについてだ。トランプが当初打ち上げた計画では、今年の一月一日までに、2000万人の接種を完了するということであったが、実績はたったの300万人も満たない。特にディープサウスという南部の州が深刻で、何があろうとトランプを支持してきた州だけに、そこでの異常な立ち後れは、政権の末期のとても象徴的な事象になっている。

しかしこれもバイデンが政権を発足したら、少しずつ事態は改善の方向に向かうという見方がでてきた。選挙に負けてから、すべて大統領職務を放棄し、自分が勝てるよう民主主義のルールを変えることだけに注力していた、そのトランプ政権が来週終わるからだ。四月一日まで1/4のアメリカ国民が一回目の接種をうけ、6月にはそれが半分を占め、秋中旬に4/3というのが新しい工程表だ。

変異種の台頭とワクチン接種のバランス、これらを並べて見ると、物事が良くなる前に、さらに悪くなるというのは火を見るより明らかであり、実際に、入院患者の数は2ヶ月前の倍になっているのだが、その2ヶ月前にも、2ヶ月前より倍になっていると言っていたのでは無かったか。文字通りの倍々ゲームで、もはやかかって当たり前、かかったらどうするかというドリルを考えた方がよさそうだ。